データのライセンスを取得することができませんでした
第20回: SQL Server 2012のリリース予定が発表されました | Win Win Windows
みなさん、こんにちは。グローバルナレッジの今村です。
(個人的に)大好きなお正月も過ぎ、あっという間に2月です。
それにしても、今年に入ってからは寒い日が続きますね。
みなさんも体調管理には十分に気をつけてください。
さて、日本マイクロソフト株式会社は、次期SQL Server「SQL Server 2012」(開発コード名「Denali」)を2012年の上半期に提供することを発表しました。
SQL Server 2012には新機能がいくつもありますが、特に私が注目したのは(あまりテクニカルではない)以下の2点です。
- ●エディションの統合
- ●ライセンスモデルの変更
今回は、この2点について紹介したいと思います。
なお、その他の機能については、新しくオープンしたSQL Server 2012のサイトを参考にしてください。
■エディションの統合
SQL Server 2012では主要なエディションとして以下の3つが提供されます。
- ●Enterpriseエディション:ミッションクリティカル、およびデータウェアハウスに最適
- ●Business Intelligenceエディション:社員向けセルフサービスBIに最適
- ●Standardエディション:部門用データベースとして必要なデータベースエンジン、レポーティング、分析用の基本機能が含まれる
Business IntelligenceエディションにはStandardエディションの全機能が含まれ、EnterpriseエディションにはBusiness Intelligenceエディションの全機能が含まれます。
なお、「セルフサービス BI」とは「誰もが、自分自身で自由に、簡単にデータを活用できる理想的な状態」とマイクロソフトは定義しています。
今回のエディションの統合に伴い、以下の2つのエディションは廃止になっています。
- ●Datacenterエディション
- ●Workgroupエディション
廃止になったらすごく困るなぁと思っていた、Developerエディション、Expressエディション、Compactエディションは引き続き提供されるとのことです。これについては少し安心しました。特にEnterpriseエディションと同等の機能を持ち、安価なDeveloperエディションは、運用環境には使用できませんが、開発・テスト環境では非常に重宝していましたので。
SQL ServerはBI機能(データ転送、レポーティング、データ分析)を含んでいることが大きな特徴なのですが、残念ながら「SQL Server = データベースエンジン」いう印象が強く(間違いではないが...)、BI機能はどちらかといえばマイナーな感じがしていました。今回「Business Intelligenceエディション」を新しく導入することで、SQL Server の持つ素敵なBI機能が周知されれば良いと思います。
■ライセンスモデルの変更
次にライセンスモデルについて紹介します。
SQL Server 2012 では、選択したエディションやシステム環境に応じてライセンス モデルを選択することができます。SQL Server 2012のエディションと提供されるライセンス モデルの関係は次のようになります。
Computing Power (コアベース) | ||
「サーバー/CALライセンス」はSQL Server 2008 R2で使用されているものと同じですが、「Computing Power(コアベース)ライセンス」はSQL Server 2012から新しく導入されました。
SQL Server 2008 R2で使用されている「プロセッサ ライセンス」は物理プロセッサ数(正確にはソケット数)を数えるものでした。このプロセッサ ライセンスモデルであれば、物理プロセッサに複数の「コア」が含まれていても、物理プロセッサのソケット数が1つであれば、必要なプロセッサ ライセンスは「1」ということになります。
SQL Server 2012で新しく導入された「Computing Power(コアベース)ライセンス」は物理プロセッサのソケット数をカウントする方式ではなく、物理プロセッサに搭載される「コア」の数をカウントするライセンス モデルに変更されました。そのため、サーバー/CALライセンスが存在しないEnterpriseエディションを使用する場合は、以前と比較してライセンス コストが増える可能性があります。
私がSQL Serverの研修を実施するときに、「SQL Serverを使用する利点」として紹介していた「プロセッサ ライセンス」の考え方が変更されるのはちょっと残念な感じがします。なぜならば、この考え方は他社製品と比較してコスト的にかなり優位だったからです。
ただし、Computing Power(コアベース)ライセンスでは「(従来の)1物理プロセッサ ライセンスの価格 = (新体系の)4コア ライセンスの価格」に設定される予定なので、4つまでのコアを持つ物理プロセッサであれば、1プロセッサ ライセンスとしてカウントされます。
マイクロソフト製品には「ソフトウェアアシュアランス(SA)」という契約形態があります。これは、ボリュームライセンスのオプション契約で、アップグレード権や各種サポートに関する年次契約サービスです。
SQL Serverの有効なソフトウェア アシュアランス(SA) を持っている場合は、従来のプロセッサ ライセンスからSQL Server 2012のComputing Power(コアベース)ライセンスにアップグレードしても追加の費用はかからない予定です。この場合は、契約の更新の際にSQL Serverが実際に稼動しているマシンに搭載されているコア数分のライセンスが付与されます。そのため、今後、4コアを超える物理プロセッサを持つマシンでSQL Serverを運用していく場合は、ライセンス コストの節約のために、SQL Server 2012が提供されるまでにSAを含めたSQL Serverのライセンスを購入して実際に展開しておく、などの対策をしておくと良いと思います。
なお、今回ご紹介した内容は 2012 年 1 月時点での情報です。SQL Server 2012 のリリース時には変更される可能性がありますので、その場合はご了承ください。
[SQL Server][2012年2月 6日配信]
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