2012年3月25日日曜日

Seagate/シーゲイト Barracuda Green 2TB (ST2000DL003)のレビューと評価: データ倉庫用の2TB・HDD4機種を比較してみた・・・ [coneco.net 商品レビュー]


SSDの普及が進んだこともあって、現在のHDDの需要はデータ倉庫用途としての需要が大半を占めるようになりました。
2TBのHDDのパイオニアであるWD「WD20EADS」の発表からはや2年・・・当初¥30,000以上していた2TBのHDDの価格も現在では¥7,000を切る価格で販売されるようになり、すっかりHDDの販売の主流となりました。

また、その2年間の間にも667GB/プラッタの登場やキャッシュの増量、そして新OS への最適化技術である物理セクタの従来の512バイトから4KBへの拡張などSSDの普及が進みつつある中においても着実にHDDの性能向上が図られています。

今回はその流れに乗って昨年秋に発売された「Barracuda LP」の後継となるSeagateの第2世代省電力HDD「Barracuda Green」ST2000DL003を、WD・SAMSUNG・HITACHIの省電力機種と比較・検証してみました。

★関連レビュー★
・「-00S8B1 と-00MVWB0を比較してみました・・・」(WD WD20EARS-00MVWB0)
・「Caviar Blackもタジタジのバカッ速の直線番長モデル」(SUMSUNG HD204UI)

★製品概要★

●WD WD20EARS-00MVWB0 (667GB/プラッタ・5,000rpm・64MBキャッシュ・4KBセクター=Advanced Format・・・以降「AF」と略)
(消費電力スペック=標準動作 4.5W ・アンロードアイドル 2.5W ・スタンバイ 0.7W ・スリープ 0.7W )

●SAMSUNG HD204UI   (667GB/プラッタ・5,400rpm・32MBキャッシュ・4KBセクター、AF)
(消費電力スペック=標準動作 6.3W ・アイドル 5.1W ・スタンバイ 1W ・スリープ 1W )

●Seagate ST2000DL003 (667GB/プラッタ・5,900rpm・64MBキャッシュ・4KBセクター、AF)
(消費電力スペック=標準動作 5.8W ・アイドル 4.5W ・スタンバイ 0.5W ・スリープ 0.5W )

●HITACHI HDS5C3020ALA632(667GB/プラッタ・CoolSpin=5,900rpm?・32MBキャッシュ・512バイトセクター、非AF)
(消費電力スペック=標準動作 7.4W ・通常アイドル 5.2W ・アンロードアイドル 4.4W ・4500rpmアイドル 2.4W ・スタンバイ 0.9W ・スリープ 0.9W )

いずれのHDDも省電力・低騒音志向の667GB/プラッタ×3枚仕様です。

上述の通りHITACHI以外の3モデルはセクターサイズが4KBの仕様となっており、Windows XP環境では本来の性能を発揮できないようになっています。

★発熱・騒音★

アイドル時およびHD Tune実行時の温度および消費電力を比較してみました。

【測定結果】

●SAMSUNG HD204UI

・アイドル時  =44W(22℃)

・HD Tune実行時=51W(26℃)

●WD WD20EARS-00MVWB0

・アイドル時 =45W(26℃)

・HD Tune実行時=52W(30℃)

●Seagate ST2000DL003

・アイドル時 =45W(27℃)

・HD Tune実行時=52W(32℃)

●HITACHI HDS5C3020ALA632

・アイドル時 =45W(27℃)

・HD Tune実行時=51W(32℃)

※消費電力はワットチェッカー、HDD温度はHD Tuneから取得

アイドル時の温度については他の3機種がほぼ同じ温度の中、SAMSUNGが明らかに低い結果になりました。

ただしSAMSUNGのHDDの温度表示は以前から室温以下の数値となることがあるなど信ぴょう性に「?」なところがあり、このHD204UIについては以前の機種に比べれば比較的マトモな数値にはなったものの判断に苦しむところです。

ロード時の温度については各機種ともにアイドル時比で+4~5℃といったところで大差なく、回転数を抑えた省電力モデルらしく低発熱なことが伺え十分に低い温度に保たれています。

また商品電力についてはいずれの機種もアイドル・ロード時ともにほぼ同じ数値となっており、こちらも優秀な数値を示しています。

★稼動音★

私個人としては耳 につくノイズのレベルとしてはHITACHIが最も優れており次いでわずかの差でSeagate、WDそしてSAMSUNGの順のように感じました。(あくまで個人的主観ですが・・・)

またシーク音の質も機種によって異なり、HITACHI・Seagateがチリチリといった高い周波数のノイズなのに対してWDのシーク音はゴリゴリと低く、SAMSUNGはその中間のように感じます。(※動画をご覧下さい)


どのようにCCの手紙をすべき

ケースに収納した状態ではいずれの機種も騒音が気になるようなことはまずなく、実用上はほぼ無音といっていいほどの非常に高い静音性となっています。

★ベンチ結果 データ★

速度面での性能を比較するために定番のベンチである「HD Tune」「Crystal Disk Mark」そして「HDDRpmEst」のデータを取ってみました。(画像1・2)

◎SAMSUNG HD204UI◎

【HD Tune】
Transfer Rate Minimum : 55.5 MB/sec
Transfer Rate Maximum : 143.5 MB/sec
Transfer Rate Average : 101.4 MB/sec
Access Time : 15.8 ms
Burst Rate : 187.7 MB/sec
CPU Usage : 1.8%

【Crystal Disk Mark 3.0】
Sequential Read : 139.1 MB/s
Sequential Write : 138.3 MB/s
Random Read 512KB : 41.16 MB/s
Random Write 512KB : 55.45 MB/s
Random Read 4KB : 0.453 MB/s
Random Write 4KB : 0.978 MB/s
Random Read 4KB QD32 : 0.556 MB/s
Random Write 4KB QD32 : 0.991 MB/s

(Test Size : 1000 MB)

====== HddRpmEst v0.1.5 === 結果レポート =====================================
対象 HDD       : SAMSUNG HD204UI××××××××××××××

回転数(推定)     : 5375 rpm
平均アクセスタイム  : 17.7 msec
同上(先頭10%の領域)  : 11.9 msec
転送速度(外周,最大)  : sustained 144.6 MB/s / burst 163.4 MB/s = 88.5 %
転送速度(外周,平均)  : sustained 141.8 MB/s / burst 162.6 MB/s = 87.2 %
転送速度(内周,平均)  : sustained 61.6 MB/s / burst 69.5 MB/s = 88.6 %
転送速度(内周,最小)  : sustained 60.3 MB/s / burst 68.6 MB/s = 87.9 %
内外周比(平均,最大小) :  43.4 %, 41.7 %  /    42.7 %, 42.0 %
備考         : 外[29/29,v0.81,a0.98]内[20/20,v1.77,a0.96]

◎WD WD20EARS-00MVWB0◎

【HD Tune】
Transfer Rate Minimum : 51.8 MB/sec
Transfer Rate Maximum : 121.5 MB/sec
Transfer Rate Average : 92.9 MB/sec
Access Time : 16.8 ms
Burst Rate : 170.8 MB/sec
CPU Usage : 1.7%

【Crystal Disk Mark 3.0】
Sequential Read : 124.5 MB/s
Sequential Write : 122.6 MB/s
Random Read 512KB : 42.88 MB/s
Random Write 512KB : 68.00 MB/s
Random Read 4KB : 0.449 MB/s
Random Write 4KB : 0.981 MB/s
Random Read 4KB QD32 : 0.540 MB/s
Random Write 4KB QD32 : 0.927 MB/s

(Test Size : 1000 MB)

====== HddRpmEst v0.1.5 === 結果レポート =====================================
対象 HDD       : WDC WD20EARS-00MVWB0 WD-××××××××××××
回転数(推定)     : 5002 rpm
平均アクセスタイム  : 16.9 msec
同上(先頭10%の領域)  : 12.2 msec
転送速度(外周,最大)  : sustained 127.4 MB/s / burst 145.7 MB/s = 87.4 %
転送速度(外周,平均)  : sustained 125.4 MB/s / burst 143.1 MB/s = 87.6 %
転送速度(内周,平均)  : sustained 56.8 MB/s / burst 64.9 MB/s = 87.5 %
転送速度(内周,最小)  : sustained 53.3 MB/s / burst 60.7 MB/s = 87.8 %
内外周比(平均,最大小) :  45.3 %, 41.8 %  /    45.4 %, 41.7 %
備考         : 外[30/30,v0.17,a0.95]内[17/17,v0.09,a0.98]
------------------------------------------------------------------------------

◎Seagate ST2000DL003◎

【HD Tune】
Transfer Rate Minimum : 54.8 MB/sec
Transfer Rate Maximum : 141.8 MB/sec
Transfer Rate Average : 105.7 MB/sec
Access Time : 17.1 ms
Burst Rate : 327.9 MB/sec
CPU Usage : 1.6%

【Crystal Disk Mark 3.0】
Sequential Read : 134.7 MB/s
Sequential Write : 132.0 MB/s
Random Read 512KB : 46.79 MB/s
Random Write 512KB : 64.45 MB/s
Random Read 4KB : 0.578 MB/s
Random Write 4KB : 1.187 MB/s
Random Read 4KB QD32 : 0.610 MB/s
Random Write 4KB QD32 : 1.168 MB/s

(Test Size : 1000 MB)

====== HddRpmEst v0.1.5 === 結果レポート =====================================
対象 HDD       : ST2000DL003-9VT166××××××××××××××
回転数(推定)     : 5949 rpm
平均アクセスタイム  : 17.8 msec
同上(先頭10%の領域)  : 12.1 msec
転送速度(外周,最大)  : sustained 148.7 MB/s / burst 163.7 MB/s = 90.8 %
転送速度(外周,平均)  : sustained 141.0 MB/s / burst 156.1 MB/s = 90.3 %
転送速度(内周,平均)  : sustained 63.8 MB/s / burst 70.9 MB/s = 90.0 %
転送速度(内周,最小)  : sustained 60.4 MB/s / burst 66.9 MB/s = 90.3 %
内外周比(平均,最大小) :  45.2 %, 40.6 %  /    45.4 %, 40.9 %
備考         : 外[29/29,v0.13,a0.97]内[22/22,v0.25,a0.97]


"ここで私は車の絵を見つけることができます。"

◎HITACHI HDS5C3020ALA632◎

【HD Tune】
Transfer Rate Minimum : 54.6 MB/sec
Transfer Rate Maximum : 144.8 MB/sec
Transfer Rate Average : 105.4 MB/sec
Access Time : 19.5 ms
Burst Rate : 210.6 MB/sec
CPU Usage : 1.7%

【Crystal Disk Mark 3.0】
Sequential Read : 141.5 MB/s
Sequential Write : 140.5 MB/s
Random Read 512KB : 51.23 MB/s
Random Write 512KB : 51.26 MB/s
Random Read 4KB : 0.647 MB/s
Random Write 4KB : 1.388 MB/s
Random Read 4KB QD32 : 0.665 MB/s
Random Write 4KB QD32 : 1.197 MB/s

(Test Size : 1000 MB)

====== HddRpmEst v0.1.5 === 結果レポート =====================================
対象 HDD       : Hitachi HDS5C3020ALA632
回転数(推定)     : 5934 rpm
平均アクセスタイム  : 19.7 msec
同上(先頭10%の領域)  : 11.2 msec
転送速度(外周,最大)  : sustained 152.0 MB/s / burst 163.6 MB/s = 92.9 %
転送速度(外周,平均)  : sustained 147.0 MB/s / burst 158.4 MB/s = 92.8 %
転送速度(内周,平均)  : sustained 66.1 MB/s / burst 71.3 MB/s = 92.7 %
転送速度(内周,最小)  : sustained 52.8 MB/s / burst 57.3 MB/s = 92.1 %
内外周比(平均,最大小) :  45.0 %, 34.7 %  /    45.0 %, 35.0 %
備考         : 外[29/29,v0.27,a0.94]内[18/18,v0.06,a0.99]
------------------------------------------------------------------------------

★ベンチ結果 比較・検証★

●HD Tune

細かく各ベンチの結果をみていくと、HD TuneにおいてはWDを除く3機種がTransfer Rateの数値でMaximumで約140MB/s、Averageで100MB/s超とほぼ互角。
WDはMaximumで約122MB/s、Averageで約93MB/sと他の3機種と比べやや後れをとる結果となっています。

AccessTimeはSAMSUNGが約16ms、WDとSeagateが約17ms、そして若干後れを取っているHITACHIが19.5msという結果となっており、BurstRateは64MBキャッシュ+S-ATA3.0対応のSeagateが327.9 MB/secと抜きんでた数値をマークしています。

●Crystal Disk Mark 3.0

シーケンシャルリード・ライトにおいてはHITACHIとSAMSUNGが約140MB/s、ついでSeagateが約135MB/s、WDは約125MB/sと若干はなされておりHDTuneと同様の結果になっています。

ランダムリード(512k)はHITACHIが他の3機種に5~10MB/sの差をつけ最速ですが、ランダムライト(512k)は逆にHITACHIが最下位でWDがトップの数値をマークしているというなかなか興味深い結果となっています。

ランダムリード・ライト(4kB・4KB QD)はHITACHI・SagateがWD・SAMSUNGより良好な数値になっています。

こうしてみると各テストにおいてWDのWD20EARS-00MVWB0が他の3機種に比べ若干後れをとる結果が多くなっていますが、これは他の3機種が5,400rpm・5,900rpmと言う回転数仕様なのに対し、5,000rpmということを考えれば致し方のないところではないかと思われます。

●ディスク間ファイルコピー

3.58GBのファイルをコピーした際の所要時間を計測してみました。

【コピー側として使用し計測(書き込み)】

◎SAMSUNG HD204UI

・1回目=42秒
・2回目=41秒
・3回目=40秒
・4回目=39秒
・5回目=40秒
・平均 =40.4秒

◎WD WD20EARS-00MVWB0

・1回目=42秒
・2回目=41秒
・3回目=43秒
・4回目=41秒
・5回目=44秒
・平均 =42.2秒

◎Seagate ST2000DL003

・1回目=41秒
・2回目=38秒
・3回目=41秒
・4回目=38秒
・5回目=38秒
・平均 =39.2秒

◎HITACHI HDS5C3020ALA632

・1回目=41秒
・2回目=39秒
・3回目=41秒
・4回目=41秒
・5回目=41秒
・平均 =40.6秒

【マスター側として使用し計測(読み込み)】

◎SAMSUNG HD204UI

・1回目=44秒
・2回目=42秒
・3回目=40秒
・4回目=43秒
・5回目=41秒
・平均 =42.0秒

◎WD WD20EARS-00MVWB0

・1回目=44秒
・2回目=43秒
・3回目=43秒
・4回目=41秒
・5回目=44秒
・平均 =43.0秒

◎Seagate ST2000DL003

・1回目=41秒
・2回目=45秒
・3回目=41秒
・4回目=44秒
・5回目=41秒
・平均 =42.4秒

◎HITACHI HDS5C3020ALA632

・1回目=42秒
・2回目=44秒
・3回目=39秒
・4回目=44秒
・5回目=43秒
・平均 =42.4秒


モデリングに入るか、演技する方法

以上の結果をみるとライト側として使用・比較した場合はSeagateが最速でWDが若干後れをとる結果になっていますが、これは上述のシーケンシャルライトの結果からみてもまず妥当な結果であると思われます。

その反面リード側として使用・比較した場合は4機種ともほとんど差が出ませんでした。

今回の比較・検証はファイルサイズが小さいことやマスタードライブとしてWD WD20EARS-00MVWB0を使用したためこれがボトルネックとなってしまいそれぞれのHDDの性能が結果に反映されていない可能性も考えられますので、あくまでも参考程度ということでお考えいただければ・・・と思います。

より信頼性の高いデータを得るにはマスタードライブをより高速なHDDもしくはSSDに換装したうえで、さらに大きなサイズのファイルにて検証を行う必要があると思われます。

★「SmartAlign」について★

現在発売されている大容量HDDは「Advanced Format」という技術を採用したものが主流となっています。

このAdvanced Formatは、従来のHDDが1セクタにつき512バイトで物理フォーマットしているのに対し4KBで行う技術です。

利点としてはWDによると従来のHDDよりもユーザーが使用できるディスク領域が7~11%拡大し、その拡大されたデイスク領域をECCに割り当てることによってエラー回復率の向上を図り、HDDとして非常な重要な要素である信頼性のさらなる改善を図ることができるとされています。

このようにAdvanced FormatのHDDは新技術を導入していることからWindows XP以前のOSでは基本的には対応しておらず、このためにWD20EARS・HD204UIをXP環境で使用する場合はハードディスクが持つ本来の性能が発揮されず、この問題を回避するためにはWDの「AlignTool」のような専用のユーティリティを用いる必要があります。

このSeagate ST2000DL003は、この「Advanced Format」を採用していますが、セクタのアライメントのズレをリアルタイムに解消することによって専用のユーティリティを用いることなく、XP環境でも従来のHDDと同様の性能を確保できる「SmartAlign」という技術を採用しています。

そこでXP環境の別マシンを用意して

①.「プライマリパーティション(OSインストール環境を想定)」
②.「拡張パーティション→論理ドライブ作成(データー倉庫環境を想定)」

の2つの条件でHD TuneとCrystal Disk Markを走らせてみました。

その結果が「画像4」となりますが、

①.「拡張パーティション→論理ドライブ作成(データー倉庫環境を想定)」の条件ではWindows7環境とほぼ同じ性能を発揮できていますが、
②.「プライマリパーティション(OSインストール環境を想定)」の条件ではWindows7環境と比べてHD Tuneは変わりないものの、Crystal Disk Markにおいてはランダムリード/ライトの数値が明らかに落ちているのが確認されました。

つまりXP環境でデータ倉庫用途として使用する場合にはWindows7環境と同じ性能で利用できるものの、システムドライブとして使用する場合は性能低下が避けられないということになります。

このHDDをシステムドライブとして使用する方は少ないとは思うので、OSをインストールしての検証は行っていませんが一応このことはお伝えしたほうがよいと思い、あえて取り上げてみました。

★ファームウェアのアップデート★

今までに市場に流通したSeagate ST2000DL003にはファームウェアが「CC31」のものと「CC32」のものがあり、「CC31」のものについてはSeagateからファームアップが推奨されています。

【詳細】

CC31のファームにおいての具体的な不具合の詳細は不明ですが、7200.11のファームウェア不具合によるロック問題が記憶に新しいこともあって若干不安を感じるところです。

ちなみに私が購入した個体のファームウェアは「CC32」でした。

★機種別総論★

◎SAMSUNG HD204UI


・価格が安い(2011年2月現在最安値)
・5,400rpmながらシーケンシャルリード・ライトにおいては5,900rpmであるHitachi・Seagateと同等の数値が出る
・低発熱?(ただしセンサーの信頼性の問題あり)
・シーク音は若干目立つ
・過去の販売分でファームウェアのバグによる問題あり(「1AQ10001」「1AQ10002」は「1AQ10003」にファームアップの必要あり)
・RMA保証がない(販売店の保証のみ)

◎WD WD20EARS-00MVWB0

・シーケンシャルリード・ライトが若干遅い
・ランダムライト(512k)が速い
・3年間のRMA保証はあるが手続きが若干面倒(送付先がシンガポール)

◎Seagate ST2000DL003

・XP環境ではデータドライブとして使用する場合に限り、そのまま使用しても性能の低下がない
・シーク音は静か
・3年間のRMA保証があり、なおかつ手続きが簡便(送付先が千葉)
・CC31のファームウェアにバグあり

◎HITACHI HDS5C3020ALA632

・XP環境でシステム・データいずれのドライブとしてそのまま使用しても性能の低下がない
・シーク音は静か
・ランダムリード(512k)が速い
・アクセスタイムが若干遅い
・価格が高い(2011年2月現在最高値)
・RMA保証がない(販売店の保証のみ・バルク品)

★まとめ★

ざっと4機種をテストしてみましたがどの機種もデータ倉庫用としての基本性能は十分に高く実使用においては大きな差を感じませんでした。

あえていうならば

・XP環境で使用するなら「HITACHI」
・静音性を重視するなら「HITACHI」「Seagate」
・万一の故障の場合の対応で選ぶならRMA保証の対応を国内でしてくれる「Seagate」
・価格で選ぶなら最安値の「SAMSUNG」

といったところでしょうか・・・。

こうして見るとWDの存在感が薄くなってしまっているようにも感じられますが、何よりも信頼性が重視されるHDDというパーツにおいては「最新が最良ではない・・・」と考えているユーザーも多いと思われ、ここconeco.netでのHDDランキングでもWDが発売以来ずっと№1を維持し続けていることもその表れの一つであると思われます。

圧倒的な販売数量、そして多くのユーザーがいるという意味においても「WD WD20EARS-00MVWB0」は2TB HDDのデファクトスタンダードモデルといえます。

そのWD WD20EARS-00MVWB0と比べてこのSeagate ST2000DL003は後発モデルということもあって、省電力モデルでありながら同社の7,200rpmモデルである「Barracuda 7200.12 ST3500418AS」をも凌ぐ速度性能を発揮し、発熱・騒音面でも優秀というすべての面でバランスのとれた非常に完成度の高いHDDであると感じました。

また、めったにないことではありますが故障した場合に上述したようにRMA保証の対応を国内(千葉)でしてくれるのは時間・費用の面でもユーザーにとってうれしいところであり、割高感の否めなかった価格も発売から2か月が経ち先行して発売していたWD・SAMSUNGの機種と同水準にまで値下がりして買いやすくなりました。

HDDで最も重視される「信頼性」という面ではまだ評価するのは時期尚早ですが、例のファームウェアのバグによるロック事件以降は正直あまりぱっとしない印象のseagateの復活を予感させるHDDであるように感じます。

【検証環境】
OS:Windows 7 HomePremium (64bit)
CPU:Intel Core-i7 2600K (3.4GHz定格 TurboBoost=ON)
CPUクーラー:リテール
M/B:ASUS P8H67-M EVO (Intel H67)
MEM:Kingston KHX1866C9D3LK2/4GX(6-6-6-18@1.35V)
HDD:WD WD20EARS-00MVWB0(System)
Drive:Pioneer DVR-J15S
電源:Abee ZE-750S



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