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ということ。
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香川の老人ホーム 認知症の女性をペット用の柵で拘束 ― スポニチ Sponichi Annex 社会
この老人ホームの肩を持つわけではないが、
一晩中徘徊するような認知症の人を、
一晩中転ばないように見守るのは、
本当に大変なことだと思う。
転んで怪我をしたりしたら、
施設の責任になるので、
そういう人は入所を断られたりする場合もある。
病院でも、
家で生活した方が安全だと思われるような人は、
少し早めに退院となる場合もあるけど、
「縛り付けてもいいので、入院させてください」
と、
家族の人に言われたりすることもある。
そういう現実がある。
このようなことは、とても複雑で難しい問題で、
役所側も、
「改善しろ!」
と、言って終わりにしてはいけないような気もする。
きちんとことの経緯を調査して、
なぜ抑制が行われたのか?
抑制せずにするにはどうしたらよいのか?
ということを、一緒に考えるような姿勢が必要なのではないかと思う。
施設とそこで働く人を悪者にしただけでは、
根本的な解決にはつながらないだろうな。
ちょっと話は変わるけど、病院では、
患者さんのベッドにベッド柵を4つつけてはいけないことになっている。
ベッド柵を4つつけると、
ベッドをぐるっと取り囲むようになって、
寝ている人にとっては檻のなかにいるような状態になる。
なので抑制とみなされるのだ。
しかし時々、
「私は寝相が悪いので、ベッド柵を4つつけてもらわないと、落ちないか心配なんです。」
と、言う患者さんがいたりして、
ちょっと困ったりする。
自分でベッド柵を取り外せる人なら、
ベッド柵を4つつけても抑制にはならないだろうけど、
ベッド柵を4つつけてはいけない、
という前提があるので、
患者さんの言うとうりに4つつけることに、
抵抗感があるのだ。
事情を知らない人がそれを見た時には、
ベッド柵が4つあるから抑制だ!
と、言われたりして、
そのたびに理由を話さないといけなかったりする。
状況をよく知らない人が非難をするのは、
簡単なことだ。
そういう非難でも、
現場の人は少なからず傷つく。
ただ、
そのような非難が全くなくなっていいとも思わない。
そういう非難が、
現場に浸りきって視野の狭くなった人の、
気づきにつながることもあるからだ。
それは非難ではなく、
問題提起なんだろうな。
このニュースが、
そんな問題提起になったらいいなと思う。
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